羊草ーひつじぐさー

クリームソーダのおもひで


 とっても若いころのこと。
 喫茶店でアルバイトしていた私は、喫茶部のすべてを任されていた。

 ネルでコーヒーを落とし、サンドイッチを作り、チョコレートパフェ、プリン、プリンアラモード、クレープ、ミックスジュース、などなど華麗に作り上げては、お席までお持ちした。
 もちろん遊びではない。仕事だ、仕事。


 ある日のこと。
 4人のお客が、全員クリームソーダを注文した。
 仕事人であった私は、そんなときもただ緑のクリームソーダーを4つ作って、「そらよ」っとお出しするわけにはいかないと考えた。
 お客様を喜ばすことができてこその仕事人。

 明治屋のシロップはカラフルであった。
 赤、青、黄色、緑と、そろっていた。
 だから、それぞれ違った色のクリームソーダを作って出した。
 お客さんは「ほ~っ」と言って興奮し、私の仕事魂も満足したわけだけど。

 若かったな、私。




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 実は厨房ではもう一色、用意されていたのである。
 赤+青=紫。

 しかし、作ってみたところ、そこはかとなく毒々しかったので、こっそり私が飲んだ。
 色は重要だ。

 




 














 
by hituji-gusa | 2013-06-19 08:24 | 「う」のひきだし