羊草ーひつじぐさー

沈黙という形


 孤独と沈黙。

 そういったものを恐れ、避けることによって、私たちは有限という日常を生み出し続けてきたような気がする。
 そのなかでもがきながら、答えをいくら探してもこの世は対処におわれるばかりで、時間という謎にもからめとられる。

 無限とは、実は孤独と沈黙の先に確かに在るものだけど、それを知る人は少ない。
 本当の豊かさや安堵も、そこにあるのになかなか人はそこに触れようとしない。


 
 日常的に、孤独と沈黙に帰る方法を持っている人は、それを知っていると思う。
 そうして自分というものを消すことの価値を知っている人は。

 それは観念だけの話ではなく、この世を生きる上で形を伴ってくる実感として。
 実際満ち足りて穏やかな暮らしとして。

 でも、どういうわけか、なかなか人は孤独と沈黙を選ばないものだ。



 

 
 


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 眠る羊はすべてを知っているだろう。






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 少壮の狼もまた。





 
 クロヌマタカトシさんの個展に行ってきました。

 クロヌマさんの木彫は、沈黙がそのまま形になっていると感じます。
 沈黙というものを、美しく、しかも生き生きした形で見せられると、ただ「それ」が分かる、そんな気がするのです。

 
 見ていると、触れていると、どういうわけか気持ちが静かになって、自分というものが消えていく。
 その感覚に触れることができる。

 だから、クロヌマさんの彫ったものをそばに置きたくなる。





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 クロヌマタカトシさんの個展。

 香川のギャラリー「空とたね」で、今月20日まで。













 
by hituji-gusa | 2014-04-06 12:00 | いろやかたち