羊草ーひつじぐさー

空間


 そこは空間なんです。

 小さな祠もあって、神社なのですが、そこには神様はおられなくて、「かみさま」という音を持った空間がある。
 私が言葉にするとすれば、そんな感じです。



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 その空間は、誰が行っても、そこで何をしても、ただ受け入れてくれるのです。

 でも、その場所はちょっと不思議な場所で、そこにやってくる人の真の望みを、現実に映し出すための流れを加速してくれるんです。
 それは少し怖いことでもあります。

 その人の真の望みだから、頭で考えていることと違っているときもあるし、真の望みに気づいていても、それをかなえるために要らないものは、握っていたくても手放さないといけなくなることもある。
 そういうとき、思いがけずドキドキするような出来事が起こってしまうことがあるかもしれない。

 だから、そこへ行くのは、ちょっとだけ勇気のいることなのかもしれません。
 でも、本当の自分を生きるのは、とてもうれしいことだから、自分を整えたいとき、不必要なものをあぶり出してほしいときに、無性に行きたくなる場所です。


 そこは田舎で、しかも山の奥なので、あまり人に会うことはありません。
 でも、たまたま誰かに会ったとき、必ず交わされる会話があるんです。

 「この場所を、どこでお知りになりましたか?」

 そんな感じで、初めて出会う人と、なんだか妙に打ち解けた話になってしまうこともあるんです。
 でも、きっと、初めて出会う人ではないのかもしれない。
 いつか、遠い過去のどこかの点で、ご一緒したことがあったかもしれない。
 そんなふうに感じられたりするんです。




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 ここに来るとき、お願いごとはしません。

 たいてい、しばらくそこにいて、すうっと胸が軽くなるような風と空気を感じて過ごします。
 きっと、ここに来る誰もがそうなんじゃないかな。

 ここは、そんな空間です。





  


 

 

 


 
by hituji-gusa | 2016-07-02 01:15 | 日々の余白