羊草ーひつじぐさー

私の星


 天文学はビッグサイエンスだといわれているが、まだまだ「一匹狼」的な面も多い。研究者のそれぞれが「私の星」をもっており、その星のイメージをいつも胸の中にあたためている。観測ーこの「私の星」との対話の時には、研究者はつねに孤独である。己を空しくして、「私の星」の問いかけを最大限に聞くこと、このために私たちは工夫と努力をかさねる。


 当時、東京大学東京天文台岡山天体物理観測所の所長だった石田五郎さんの「天文台日記」(中公文庫)。
 この本のあとがきに出てくる「私の星」というフレーズがとても好きだ。


 「私の星」。

 ときに、星は運命をほのめかすものであったり、目指すものであったり、探していたものそのものであったり、道を照らすものであったりする。

 星とはいつだって、とても示唆的だ。
 星を追い、星について考え、星を観て。
 それは夜空にあるときもあれば、地上に見つけられることもある。

 天文学者でなくても、いろんな形で、多くの人が「私の星」を探しているような気がする。

 天文学者は観測という方法で、「私の星」と対話するという。
 でも、孤独の中で、己を空しくして、「私の星」の問いかけを最大限に聞くというのは、なんだかとても普遍的な行為のように思える。


 私にも「私の星」がある。
 それは絶えず私に問いかけ、私という何かの実像を見せてくれる。
 その星に照らされ、癒され、守られてもいる。

 それは私の中にあり、同時に外に映し出されてもいる。
 外に見える星を見つめることで、私という星の姿を知ることができる。
 星は未来でもあり、過去でもある。


 というわけで、相変わらず星ばかり観ている。


 


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 岡山天体物理観測所は、現在は国立大学共同利用機関として国立天文台に移行している。
 一見古そうだけど、全国の天文学研究者に共同利用され、休みなく観測や研究が進められているとのこと。

 このドームは、188㎝反射望遠鏡を備えています。





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 これがそう。

 この望遠鏡は、通称ナナヨンと呼ばれていて、50歳をこえているらしい。
 展示用のパネルの説明がとっても愛に溢れていたので、以下に引用します。


 188㎝反射望遠鏡(通称74「ナナヨン」)は研究用としては日本で一番大きい望遠鏡です。
 1960年につくられ、50歳をこえています。立派な「中年」望遠鏡ですが、いまだ現役バリバリで頑張っており、世界で認められる研究成果を次々と出してます。
 がんばれナナヨン!



 がんばれナナヨン!


 



 


 


 
by hituji-gusa | 2016-07-22 14:40 | 読書の時間