羊草ーひつじぐさー

駅と蕎麦屋


 蕎麦を待っていると、店の電話が鳴る。

 「はいはい、15分後ね。一つ500円です」
 なんて言っている。
 そうか、出前もやってるんだ、でも、出前のできそうな店員さんはいないけどな。

 15分後。
 
 蕎麦屋の前に、白地にブルーのきれいな列車が停まる。
 蕎麦屋の主人が、店の一部であるホームに出て、注文を受けた蕎麦を乗客に渡している。

 もとい。
 駅の一部が蕎麦屋になっているのだ。
 日に数便の列車が停まるたびに、頼まれた分だけ乗客に蕎麦を売る。
 トロッコ風に作られた車内で、心地よい風を感じながら蕎麦を食べるのはさぞかし気持ちがいいだろう。

 駅の一部というけれど、蕎麦屋の利用率の方が断然高いから、やっぱり蕎麦屋の一部が駅だという方が正しいかも。

 店内で蕎麦をすすっていたら、たまたま数少ない列車が目の前に停まった。
 思いがけず、得した気分。






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by hituji-gusa | 2016-08-01 16:40 | 小さな旅